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2006年05月07日

◆V for Vendettaと金載圭

 韓国のサイトで、「V for Vendettaと金載圭中央情報部長」というタイトルの投稿があったので訳してみる。

 昨日、友人と一緒に「V for Vendetta」という映画を見た。マトリックスの兄弟が作ったという事はどうでも良かったのだが、Natalie Portmanが出るというので…vv見た。この映画を見る前に、新聞に載っていた評を少し見たのだが、昔の英王室時代に自由を求めて、議事堂を爆破しようと計画した最中、絞首刑に処されたガイ・フォークスという人物がモデルであると聞いた。この映画を見て、もう一つ奇妙に感じたのは、映画の主人公であるV(ガイ・フォークスのマスクを付けている)と10.26の金載圭中央情報部長が繋がって見える点だ。
 朴正煕政権も、映画に描かれる全体主義と類似している。社会発展のために(統治者の都合の良いように)個人の自由と人権は無視されてきた。例えば、映画に出てくる通行禁止令も朴正煕政権時に存在していた。また、映画ではテレビ放送局が一つ(BTN)だけ存在するが、これは政府放送局である。朴政権の時には、これとは少し異なるが検閲制度が存在したし、統治者に都合の良い情報だけが大衆に報道された。
 金載圭中央情報部長とVとの比較に戻ってみる。Vは映画での全体主義的英国家を憎んで反社会的な人物となった。それだけでなく、彼も人間なので復讐の感情を持っていた。社会に対する不満以上に、復讐心が先んじていたのではないかとも思える。金載圭中央情報部長の場合はどうだったのだろうか?彼は10.26を起こす前までは、朴正煕大統領の忠実な部下であった。80年代の拷問政治の温床だった南營洞対共分室(※)(彼がここで全斗煥元大統領から拷問を受けて辛酸を舐めたのは皮肉としか言いようがない)は、まさに金載圭中情部長の作り出した物ではないのか。しかし、金載圭部長とVには少し異なる点がある。金部長の場合は、車智澈に権力闘争で圧されているという不安感が10.26を後押しさせた。金載圭部長は車智澈室長を排斥しようと試みたが、無謀にも歴史は彼を体制転覆犯に仕立て上げてしまった。
 金部長が亡くなってから、いつの間にか長い月日が過ぎたようだ。彼が「V for Vendetta」のVのような評価を受ける事はできるのだろうか?Vを見ると、金載圭中情部長が頻繁に思い起こされるのは、私にとって興味深い事だ。


※訳註:南營洞はソウル特別市龍山区にある行政洞の一つで、ここの対共分室は全斗煥政権下における拷問政治の象徴的存在として恐れられていた。金載圭が連行されて調査を受けたのは、同じ龍山区にある西氷庫洞分室の方である。

ソース


 この記事を読んでから、「V for Vendetta」の公式サイトに行ってみた。そこに気になる事が書いてあった。

 フォークスらは公衆の面前で首をくくられ、火あぶりにされ、四つ裂きにされたが、それは“国賊”に対する当時のならわしだった。今でも英国では11月5日になると、かがり火を焚き、花火を打ち上げ、フォークスの国家転覆計画が未然に終わったことを祝う。ガイ・フォークスの仮面が国中で売られ、“ガイ人形”もろとも火にくべるのが習慣になっている。

ガイ・フォークスと四つ裂きの刑についての参考サイト→死刑執行人もまた死す


 「V for Vendetta」という映画で、ガイ・フォークスは再評価された形になるが、英国では今でも逆賊扱いになっているという訳だ。
 私は常々、朴正煕の開発独裁や大統領弑害犯である金載圭に対して、なぜ韓国人が彼らを英雄か逆賊か白黒ハッキリ付けようとするのか疑問に思っていたが、韓国での議論と、英国におけるガイ・フォークスへの扱いを比較すると、もしかしたら、韓国人の方がよっぽど一人の人物に対して多角的な評価を下そうとしているのかもしれないとも考えるようになった。
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