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2006年12月02日

◆「朴正煕、最後の一日」

「10.26朴正煕大統領射殺事件」というサイトでチンタラと翻訳していた
「朴正熙의 마지막 하루」が、今年の初夏に「朴正煕、最後の一日」というタイトルで
草思社から出版された。

いつまで経っても進まない私の疑わしい訳文を読むよりも、
本を買って、プロの方の訳文で安心して一気に読まれる事をお薦めする。

おそらく、これまで出版された10.26事件関係の本の中で
最も詳細に描かれた内容である事は、十中八九間違いないだろう。

趙甲濟記者は、以前にも10.26事件について詳細に取材した
「有故!(邦題:韓国を震撼させた十一日間/JICC出版局)」を
著している。

ただ、その頃と比べると、明らかに趙記者は朴正煕信者の一人と
なってしまい、ジャーナリストとしての中立性を失うような記述が
幾つか見られるのが残念だ。

例えば、「金載圭の民主主義」の項には、「米国式の民主主義に盲目的に
追随することは事大主義であると断じ、主体的な立場で韓国式の民主主義を
作ろうとしたのが朴正煕だった。その韓国的民主主義を理念にして
誕生した維新体制の――」という件が見られるのだが、
むしろ朴正煕による独裁色を強めたのが維新体制であって、
民主主義とは水と油のようなものを、わざわざこじつけてまで
民主主義に結びつけてしまうのは何ゆえか。
反体制的な人物なら政治家だろうが学生だろうが、片っ端から
逮捕連行して、中情や保安司で拷問するような維新体制は
民主主義じゃないだろう。どう考えても……。

また「超人」の項では、死に臨んだ朴正煕の姿を殊更に美化している。
逃げ惑った金桂元や車智澈の姿を「正常な行動」とし、胸部に銃弾を
受けても「私は大丈夫だ」と答えた朴正煕の姿を「無謀な」行動として、
いわば反語的に書き表す方法は技巧的ですらある。

だが忘れてはいけないのが、朴正煕は女の膝の上で最期を迎えたという事だ。
この女達は、やもめの朴正煕を慰めるために遣わされた存在なのだ。
マンセー派から見れば、朴大統領は究極的な危機に遭っても
泰然としていられる立派な指導者であり、逆にアンチ派から見れば、
酒池肉林の場で最期を迎えた俗物人間という事になるのだ。

朴正煕は、歴代大統領の中で最も功績のあった人物として、
韓国国民から非常に人気があるが、一方でネティズンを中心に
アンチ派も多数存在する。
理由は言うまでもなく、独裁政権下での拷問などの人権侵害であるが、
面白い事に、当時を知らない筈の若い世代の間にアンチ派が多く
占めているのだ。

後には、「만화 박정희(マンガ朴正煕)」のような、若い世代をターゲットに
したと思われるアンチ朴正煕な出版物もあり、極端な美化と叩きで
対立させなければ中立を保てない状況にあるのかもしれない。
(この「만화 박정희」も購入したのだが、とても気分が
悪くなるような内容で、買って後悔したものの一つだ)

どんな人間にも、良い面もあれば悪い面もある。
韓国に「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長をもたらせた朴正煕は、
国民を飢餓から救うと同時に迫害も行った。
酒池肉林に溺れたのは、妻を銃弾で亡くした淋しさからでもあった。

朴正煕は、正義の使者でもなければ稀代の悪党でもない。
そんな男が迎えた10.26事件は、韓国現代史に深く刻まれている。



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