忍者ブログ



2024年04月23日

◆[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。





2006年12月11日

◆映画「朴大統領暗殺」

朴正煕大統領暗殺事件をテーマにした映画「그 때 그 사람들(その時、その人々)」が 「朴大統領暗殺」という邦題で、「シネマート新宿」で上映された。

この映画、前評判があまり良くなかったので、元々期待してはいなかったが、
実際に見てみた感想は、「確かにつまらない」

つまらないと判っていて、わざわざ見に行ったのだから
別に腹も立たないが、代わりに腹が痛くなった。
ウェーブに襲われる度に「まだ終わんないのか(>_<;)」と。
ま、その程度の内容。

朴大統領暗殺事件にワケも分からず巻き込まれた人々の哀愁を
ブラックジョークで表現した…らしいのだが、哀愁もクソもない。
何故なら、出てくる人物洩らさず全員がDQNなので、
少しも感情移入できないのである。
IQが低いだけでなくEQも低いのだから、そこからどうやって
人間ドラマなんぞ生み出せるのか。


全裸死体を晒したパク大統領(橋本龍太郎ソックリ)
行儀の悪い秘書室長
パンツ丸見えの警護室長
ウンコが出ないキム部長
歩哨に顔すら憶えてもらってない参謀総長

わかった。
登場人物が総DQNである事は充分にわかった。


で、何なの……?


何が言いたかったの?


……と。


韓国のブログで、「この映画に苦情を訴えるべきなのは、朴正煕の
遺族ではなく金載圭側の遺族なのではないか」という意見を目にした。
確かにそうかもしれない。
いや、それ以上に金載圭の部下の遺族の方が不満だろう。
上官の命令を遂行したら、死刑になってしまった悲劇。
嗤うところじゃないのだが。

韓国人は10.26事件もこの映画の意図も解ってて見るのだから、
まだ嗤う権利があるだろう。

しかし外国人はどうなのか。

我々にそれを嗤う権利があるのか。


それでも、こんなマニアックな映画に足を運ぶ人達は、やはりよく事情を
御存知のようで、帰り際、おばさん達が「『第5共和国』の方が
詳しいでしょ。これはコメディだからね……」と話していたのを耳にした。

その冷笑こそ、この映画が求めるテーマだったのではないかという
皮肉すら浮かんでしまう。

PR




2006年12月09日

◆「第5共和国」出演俳優

5gong.jpg
上段左から洪鶴標、李珍雨、李德華、徐仁錫、車光洙、李才勇。
下段左から張世東、許和平、全斗煥、盧泰愚、許三守、李鶴捧。
下段の新軍部の中心人物達を上段の俳優がそれぞれ演じている。



전두환 : 이덕화 全斗煥:李德華(イ・ドッカ)
ヅラを外して更にヅラ。

이순자 : 김영란 李順子:金英蘭(キム・ヨンナン)

노태우 : 서인석 盧泰愚:徐仁錫(ソ・インソク)

김옥숙 : 송옥숙 金玉淑:ソン・オクスク

박철언 : 이승형 朴哲彦:イ・スンヒョン

허화평 : 이진우 許和平:李珍雨(イ・ジヌ)
ヅラで登場。

허삼수 : 차광수 許三守:車光洙(チャ・グァンス)

허문도 : 이희도 許文道:イ・ヒド
「大長今」チェ・パンスル役。

이학봉 : 이재용 李鶴捧:李才勇(イ・ジェヨン)
初期は不自然なヅラで登場。

장세동 : 홍학표 張世東:洪鶴標(ホン・ハッピョ)

권정달 : 정한헌 權正達:チョン・ハノン

정호용 : 윤승원 鄭鎬溶:尹承園(ユン・スンウォン)

신동기 : 윤용현 カラサマ兄:ユン・ヨンヒョン
「シン・ドンギ」と表記してあるが、ドラマで名前は登場せず、
ネティズンの間では「カラサマ兄」と呼ばれていた。
「シン・ドンギ(申東基)」は金載圭を取り調べた捜査官の名。


보안사요원 : 최민준 カラサマ弟:チェ・ミンジュン

김영삼 : 김용건 金泳三:キム・ヨンゴン

김종필 : 이정길 金鍾泌:李正吉(イ・ジョンギル)
「第三共和國」で同役。「美しき日々」のハンナラ親父役。

김대중 : 임동진 金大中:林東真(イム・ドンジン)

이희호 : 연운경 李姫鎬:ヨン・ウンギョン

이태영 : 최은숙

이민우 : 양영준 李敏雨:ヤン・ヨンジュン

김덕룡 : 정명환 金徳龍:チョン・ミョンファン

김동영 : 최상훈

김상현 : 이원재 金相賢:イ・ウォンジェ

길전식 : 윤석오

이태섭 : 윤순홍 李臺燮:ユン・スノン

김윤환 : 신귀식 金潤煥:シン・グィシク

최규하 : 김성겸 崔圭夏:キム・ソンギョム
「第4共和国」でも同役。

신현확 : 신충식 申鉉碻:シン・チュンシク
「第4共和国」の金正濂役。

박정희 : 이창환 朴正煕:イ・チャンファン
「第4共和国」でも同役。「大長今」第3回に出演。

육영수 : 양미경 陸英修:梁美京(ヤン・ミギョン)
「大長今」のハンサングン役。

박근혜 : 고정민 朴槿惠:コ・ジョンミン

박지만 : 이한 朴志晩:イ・ハン

김계원 : 나성균 金桂元:ナ・ソンギュン
「大長今」のユン・マッケ役。

전경환 : 오현섭 全敬煥:オ・ヒョンソプ

차지철 : 정호근 車智澈:チョン・ホグン
「茶母」に出演してるらしい。

김재규 : 김형일 金載圭:金炯一(キム・ヒョンイル)

박흥주 : 김성준 朴興柱:キム・ソンジュン

박선호 : 김혁 朴善浩:キム・ヒョク

심수봉 : 유하진 沈守峰:ユ・ハジン

신재순 : 조미나 申才順:チョ・ミナ

김정섭 : 강상구 金正燮:カン・サング

박종규 : 김봉근 朴鐘圭:キム・ボングン
「第4共和国」でも同役。

이후락 : 박광남 李厚洛:パク・グァンナム

윤필용 : 민지환 尹必鏞:ミン・ジファン

강창성 : 이영후 姜昌成:イ・ヨンフ

김치열 : 이성호 金致烈:イ・ソンホ

이재전 : 송귀현 李在田:ソン・グィヒョン

우국일 : 박병훈 禹國一:パク・ビョンフン
故・蔵間龍也に顔が似ている。

황영시 : 문회원 黄永時:ムン・フェウォン
「大長今」濟州島のヘタレ長官役。「茶母」でもアホなチョイ役。

유학성 : 박영지 兪學聖:パク・ヨンジ
「大長今」イ・グァンヒ役。

백운택 : 송용태 白雲澤:ソン・ヨンテ

박희도 : 전인택 朴煕道:チョン・インテク
「大長今」のチョン・ユンス役。脱いだら凄いらしい。

최세창 : 이기영 崔世昌:イ・ギヨン

김진영 : 김영석 金振永:キム・ヨンソク

정도영 : 김명현 鄭棹永:キム・ミョンヒョン
「大長今」で活人署(ファリンソ)の医務官役。

구창회 : 고태산 具昌會:コ・テサン

장태완 : 김기현 張泰玩:キム・ギヒョン
本国で「張フォース」ブームを起こす。「4共」でチョイ役。

정병주 : 민욱 鄭柄宙:ミン・ウク

김오랑 : 양동재 金五郎:ヤン・ドンジェ

윤성민 : 김호영 尹誠敏:キム・ホヨン

김진기 : 김주영 金晋基:キム・ジュヨン
太った三浦浩一と言ったところ。ヅラ。

이건영 : 차윤회 李建榮:チャ・ユニ

정승화 : 박인환 鄭昇和:朴仁煥(パク・イナン)
「クワイエット・ファミリー(조용한 가족)」で主演。

노재현 : 신국 盧載鉉:申國(シン・グク)
「大長今」の内侍府(ネシブ)長官役。

민마담 : 박형선 ミン・マダム:パク・ヒョンソン

윤흥정 : 박영태 尹興禎:パク・ヨンテ

소준열 : 한규희 蘇俊烈:ハン・ギュヒ

이희성 : 홍민우 李熺性:ホン・ミヌ

주영복 : 최병학 周永福:チェ・ビョンハク

윤상원 : 김정학 尹祥源:キム・ジョンハク

박남선 : 정승재 朴南宣:チョン・スンジェ
「大長今」濟州島篇でチャングムを見張る役。

박관현 : 양현태 朴寛賢:ヤン・ヒョンテ

이창석 : 손종범 イ・チャンソク:ソン・ジョンボム
架空の人物。

이창수 : 허정민 イ・チャンス:ホ・ジョンミン
架空の人物。

이창석 처 : 조명진 イ・チャンソクの妻:チョ・ミョンジン
架空の人物。

유시민 : 김수근

심재철 : 김용희(달콤한 스파이 박실장)

현무환 : 서일현

유시민 어머니 : 김명희

공수단 : 조상기 空輸団:チョ・サンギ

공수단 : 김승민 空輸団:キム・スンミン

장영자 : 이혜숙 張玲子:イ・ヘスク

이철희 : 남영진 李哲煕:ナム・ヨンジン

김수철 : 김홍석

김제진 : 이원용

변태수 : 홍성선

이규광 : 임문수 李圭光:イム・ムンス

이규동 : 김윤형 李圭東:キム・ユニョン

노신영 : 김병기 盧信永:キム・ビョンギ

김재익 : 정선일 金在益:チョン・ソニル

최순달 : 이도련

양정모 : 한인수 梁正模:ハン・インス
「第4共和国」金鍾泌役。

김덕영 : 김응석

정주영 : 박종관 鄭周永:パク・ジョングァン

최병렬 : 손호균

이부영 : 이대로

이용구 : 임병기 李容九:イム・ビョンギ

용팔이 : 이한위 ヨンパリ:イ・ハニ

박세직 : 이정훈 朴世直:イ・ジョンフン

김동겸 : 이철민

안무혁 : 구보석 安武赫:ク・ボソク

세지마 류조 : 이일웅 瀬島龍三:イ・イルン

김정렬 : 박규채 金貞烈:パク・キュチェ

브루스터 : 이참 ブルースター:イ・ハヌ
ここでは「イチャム」と表記してあるが、ドラマでのクレジットは「イ・ハヌ」。 

삼청교육대 교관 : 이은철 三清教育隊教官:イ・ウンチョル

정상진 : 도한

이종수 : 이정호

삼청교육대 희생자 : 박종설 三清教育隊犠牲者:パク・チョンソル

안상수 : 박용수

전두환 암살범 두목 : 이종만 全斗煥暗殺犯頭目:イ・ジョンマン
架空の人物。

전두환 암살범 : 황덕재 全斗煥暗殺犯:ファン・ドクチェ


ソース:아싸바리様(※リンク切れ)





2006年12月02日

◆「朴正煕、最後の一日」

「10.26朴正煕大統領射殺事件」というサイトでチンタラと翻訳していた
「朴正熙의 마지막 하루」が、今年の初夏に「朴正煕、最後の一日」というタイトルで
草思社から出版された。

いつまで経っても進まない私の疑わしい訳文を読むよりも、
本を買って、プロの方の訳文で安心して一気に読まれる事をお薦めする。

おそらく、これまで出版された10.26事件関係の本の中で
最も詳細に描かれた内容である事は、十中八九間違いないだろう。

趙甲濟記者は、以前にも10.26事件について詳細に取材した
「有故!(邦題:韓国を震撼させた十一日間/JICC出版局)」を
著している。

ただ、その頃と比べると、明らかに趙記者は朴正煕信者の一人と
なってしまい、ジャーナリストとしての中立性を失うような記述が
幾つか見られるのが残念だ。

例えば、「金載圭の民主主義」の項には、「米国式の民主主義に盲目的に
追随することは事大主義であると断じ、主体的な立場で韓国式の民主主義を
作ろうとしたのが朴正煕だった。その韓国的民主主義を理念にして
誕生した維新体制の――」という件が見られるのだが、
むしろ朴正煕による独裁色を強めたのが維新体制であって、
民主主義とは水と油のようなものを、わざわざこじつけてまで
民主主義に結びつけてしまうのは何ゆえか。
反体制的な人物なら政治家だろうが学生だろうが、片っ端から
逮捕連行して、中情や保安司で拷問するような維新体制は
民主主義じゃないだろう。どう考えても……。

また「超人」の項では、死に臨んだ朴正煕の姿を殊更に美化している。
逃げ惑った金桂元や車智澈の姿を「正常な行動」とし、胸部に銃弾を
受けても「私は大丈夫だ」と答えた朴正煕の姿を「無謀な」行動として、
いわば反語的に書き表す方法は技巧的ですらある。

だが忘れてはいけないのが、朴正煕は女の膝の上で最期を迎えたという事だ。
この女達は、やもめの朴正煕を慰めるために遣わされた存在なのだ。
マンセー派から見れば、朴大統領は究極的な危機に遭っても
泰然としていられる立派な指導者であり、逆にアンチ派から見れば、
酒池肉林の場で最期を迎えた俗物人間という事になるのだ。

朴正煕は、歴代大統領の中で最も功績のあった人物として、
韓国国民から非常に人気があるが、一方でネティズンを中心に
アンチ派も多数存在する。
理由は言うまでもなく、独裁政権下での拷問などの人権侵害であるが、
面白い事に、当時を知らない筈の若い世代の間にアンチ派が多く
占めているのだ。

後には、「만화 박정희(マンガ朴正煕)」のような、若い世代をターゲットに
したと思われるアンチ朴正煕な出版物もあり、極端な美化と叩きで
対立させなければ中立を保てない状況にあるのかもしれない。
(この「만화 박정희」も購入したのだが、とても気分が
悪くなるような内容で、買って後悔したものの一つだ)

どんな人間にも、良い面もあれば悪い面もある。
韓国に「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長をもたらせた朴正煕は、
国民を飢餓から救うと同時に迫害も行った。
酒池肉林に溺れたのは、妻を銃弾で亡くした淋しさからでもあった。

朴正煕は、正義の使者でもなければ稀代の悪党でもない。
そんな男が迎えた10.26事件は、韓国現代史に深く刻まれている。







2006年08月08日

◆「大長今」オリジナルサウンドトラック

 「大長今OST」の一曲ごとの感想を個人的見解で述べてみようと思います。
私が買ったのは韓国輸入盤なので、国内盤とはジャケットが異なっています。
このサントラ、かなり気に入っていて、ヘービーローテーションです。
音楽的な分野としては、「姫神」とか「image(イマージュ)」が
好きな人にオススメで、ニューエイジ系だと思います。 

161_1.jpg


대장금(大長今OST)


このサントラの良いところは、全体的に統一感があり、
人気のポップソングばかり集めて、バラつきがあるハリウッド映画の
サントラとか、制約上やむを得ず、一曲一曲が細切れに変化してしまう
大河ドラマのサントラのような欠点が少ない事である。


1.고원(高原)

とてつもなく“ヒーリング”系なサウンドである。
ここまで完全な打ち込み系の曲を時代劇の背景に持ってきてしまって
何の違和感も感じさせないところが凄い。
曲自体は2分足らずの短いものである。

2.창룡(蒼龍)

言わずと知れた「大長今(宮廷女官チャングムの誓い)」のオープニングテーマ。
ただし、それは冒頭の1分足らずまでで、曲全体は約5つの小節に
分かれており、ドラマの要所要所に用いられている。
こういった構成はドラマのサントラにはよく見られる。
一曲を聴かせるには、やや落ち着きがなくなるが、サントラという性質上、
致し方ない事である。それを補って余りあるほど、一節一節のクオリティが高い。
例えるならば、NHK大河ドラマのOPを5つ纏めて聴いたような感じである。
「고원」のような打ち込み系ではなく、韓国の伝統楽器を用いているので、
大河のテーマらしい深みのあるサウンドに仕上がっている。
女性を主人公にした作品とは思えないほど、勇壮なイメージだ。

3.하망연(何茫然) (feat. Safina)

閔政浩をテーマにした曲であるらしい。
テノール歌手を起用しているようである。下手にKPOPシンガーを起用して
メロドラマ臭さを醸し出すより、こういったクラシカルな雰囲気に
纏めてくれる方がよっぽど好感が持てる。
この曲は英語版とインスト版も収録されているが、個人的には
この韓国語版が一番“らしさ”を表していて好き。

4.오나라Ⅱ
通称「スローオナラ」。低音の笛の音(楽器が判らない;)に、
ハスキーな低音女性のヴォーカルがとてもマッチしている。

5.0815(空八一五)

登場人物が訥々と語っていく場面などでよく用いられる曲。
サウンド的にはあまり特徴がないが、個人的にはとても好きな曲。

6.연밥

調理場面でよく用いられる曲だが、テーマが料理とは思えないほど
スケールが大きい。イントロこそ、微笑ましい笛の音で始まるが、
すぐさま今から合戦でも始まるかのような雄大な曲調に変化する。
また、収録曲の中で、最も韓国の伝統的な楽器を多用している。
ズッズッズッズッ…という後ろで微かに流れる低音の弦楽器は、
私の好きなコムンゴ(ただし、ほとんど聞こえないorz)。
背景で打ち鳴らされる乾いた金属音はケンガリで(ただし同時に、
非常に似たタイプの打ち込み音にかき消され気味で判りにくい。
ヘッドフォンで聴くと、左中央辺りで響く乾いた音が打ち込み音。
右の奥の方で聞こえるカラカラと響く音がケンガリの筈である)、
この楽器は他の曲にもよく用いられている。
カヤグムらしき楽器だけは主役的に使われている箇所がある。

7.덕구

タイトルからして「姜德九」のテーマと思われる。
トックおじさんが大慌てで走り出し、何やら小細工でも仕掛けていそうな
微笑ましい表現から始まるが、中盤からは、わざと音程を外したような
ダイナミックなサウンドに変化。民族的な囃子が却って前衛的で面白い。

8.Hamangyeon (feat. Safina)

하망연(何茫然) 」の英語版。

9.APNA

今英のテーマらしい。儚げなピアノ風の音(典型的な打ち込み)に、
ヴォーカルを加工した様なサウンドを織り交ぜて、
極めてENYA(エンヤ)風である。

10.다솜

ジャケットでは、ハングルの旧字体ヴァージョンで表記されている。
こちらもかなりENYA風なサウンドで始まるが、中盤になると、
よくシルクロードとかのドキュメンタリーで用いられるようなサウンドに変化。

11.(悲)

韓尚宮が亡くなった時のテーマらしい。ヴァイオリンのゆったりした曲。
タイトルは「悲」とあるが、それほど重苦しい雰囲気は感じさせず、
どちらかと言えば、美しい想い出を表現しているのではないかと思わせる。

12.단가(短歌)

こちらの方が、よっぽど悲しい感じ。ピアノが切ない。

13.연도(烟濤)

韓国の伝統楽器で始まる静かな曲。極めてスローテンポ。
女性の優しいヴォーカルが流れるが、ヴォーカルナンバーである事を
忘れさせるほど、もの静かで控えめである。
そして気がつくと、この曲も「하망연」の別ヴァージョンだったりする。

14.오나라Ⅰ

「大長今」のエンディングで流れるが、こちらこそ元祖テーマソングだろう。
パンソリを修行中の子供達による合唱と低音の女声の対比に妙味がある。
古代朝鮮語を用いたという歌詞は、姫神が用いた縄文語に相通ずる。
一度聴いただけで、耳から離れない存在感。
いつ聴いても心地よいミディアムナンバー。

15.The Legend Becomes History

「창룡」をスローにしたヴォーカルヴァージョン。
映画音楽のようなスケールの大きいイントロを打ち破るかのように、
高音質の女性のヴォーカルが始まる。異様に訛った英語と、わざとなのか
判らないほど酷く音痴に聞こえるフレーズ。そうかと思えば、
最後のヴォルテージを上げた高音は見事で、そのヘンなギャップが
却ってクセになるような曲である。
音楽的には、Sarah Brightman(サラ・ブライトマン)を彷彿とさせる
(当たり前だがSarahはもっと上手である)。

16.자야오가(子夜歌) (Techno ver.)

「오나라」のクラブ系リミックスといった感じだが、どうやら世間一般的な
評価はマイナスのようである。テンポの速さが、他の曲と合っておらず、
サントラのイメージを崩してしまったのが一因のようだ。
このサントラは打ち込み中心のサウンドなので、決してこの曲だけが
浮いているという事はない筈なのだが、どうも挿入した箇所を
誤ったのではないかという気がする。一番最後にオマケのような形で
収録するか、「연밥」や「덕구」辺りのアップテンポな曲と
並べてしまえば、それほど浮かなかったと思う。
90年代前半にかけて流行ったアンビエント・ポップス系のアーティストが
シングルB面に収録したリミックスがこんな感じだったので、個人的には
嫌いじゃない。何となくDEEP FORESTや、BEAUTIFUL WORLDの
「IN THE BEGINNING」(超マイナー…)辺りのリミックスを思い出した。

17.하망연(何茫然) (inst.)

もうこの曲は3回目の登場(「연도」も含めると4回目)なのだが、
しつこいという印象を与えない。
インストゥルメンタルだけでも充分に聴かせる音楽である。


 





2006年05月07日

◆V for Vendettaと金載圭

 韓国のサイトで、「V for Vendettaと金載圭中央情報部長」というタイトルの投稿があったので訳してみる。

 昨日、友人と一緒に「V for Vendetta」という映画を見た。マトリックスの兄弟が作ったという事はどうでも良かったのだが、Natalie Portmanが出るというので…vv見た。この映画を見る前に、新聞に載っていた評を少し見たのだが、昔の英王室時代に自由を求めて、議事堂を爆破しようと計画した最中、絞首刑に処されたガイ・フォークスという人物がモデルであると聞いた。この映画を見て、もう一つ奇妙に感じたのは、映画の主人公であるV(ガイ・フォークスのマスクを付けている)と10.26の金載圭中央情報部長が繋がって見える点だ。
 朴正煕政権も、映画に描かれる全体主義と類似している。社会発展のために(統治者の都合の良いように)個人の自由と人権は無視されてきた。例えば、映画に出てくる通行禁止令も朴正煕政権時に存在していた。また、映画ではテレビ放送局が一つ(BTN)だけ存在するが、これは政府放送局である。朴政権の時には、これとは少し異なるが検閲制度が存在したし、統治者に都合の良い情報だけが大衆に報道された。
 金載圭中央情報部長とVとの比較に戻ってみる。Vは映画での全体主義的英国家を憎んで反社会的な人物となった。それだけでなく、彼も人間なので復讐の感情を持っていた。社会に対する不満以上に、復讐心が先んじていたのではないかとも思える。金載圭中央情報部長の場合はどうだったのだろうか?彼は10.26を起こす前までは、朴正煕大統領の忠実な部下であった。80年代の拷問政治の温床だった南營洞対共分室(※)(彼がここで全斗煥元大統領から拷問を受けて辛酸を舐めたのは皮肉としか言いようがない)は、まさに金載圭中情部長の作り出した物ではないのか。しかし、金載圭部長とVには少し異なる点がある。金部長の場合は、車智澈に権力闘争で圧されているという不安感が10.26を後押しさせた。金載圭部長は車智澈室長を排斥しようと試みたが、無謀にも歴史は彼を体制転覆犯に仕立て上げてしまった。
 金部長が亡くなってから、いつの間にか長い月日が過ぎたようだ。彼が「V for Vendetta」のVのような評価を受ける事はできるのだろうか?Vを見ると、金載圭中情部長が頻繁に思い起こされるのは、私にとって興味深い事だ。


※訳註:南營洞はソウル特別市龍山区にある行政洞の一つで、ここの対共分室は全斗煥政権下における拷問政治の象徴的存在として恐れられていた。金載圭が連行されて調査を受けたのは、同じ龍山区にある西氷庫洞分室の方である。

ソース


 この記事を読んでから、「V for Vendetta」の公式サイトに行ってみた。そこに気になる事が書いてあった。

 フォークスらは公衆の面前で首をくくられ、火あぶりにされ、四つ裂きにされたが、それは“国賊”に対する当時のならわしだった。今でも英国では11月5日になると、かがり火を焚き、花火を打ち上げ、フォークスの国家転覆計画が未然に終わったことを祝う。ガイ・フォークスの仮面が国中で売られ、“ガイ人形”もろとも火にくべるのが習慣になっている。

ガイ・フォークスと四つ裂きの刑についての参考サイト→死刑執行人もまた死す


 「V for Vendetta」という映画で、ガイ・フォークスは再評価された形になるが、英国では今でも逆賊扱いになっているという訳だ。
 私は常々、朴正煕の開発独裁や大統領弑害犯である金載圭に対して、なぜ韓国人が彼らを英雄か逆賊か白黒ハッキリ付けようとするのか疑問に思っていたが、韓国での議論と、英国におけるガイ・フォークスへの扱いを比較すると、もしかしたら、韓国人の方がよっぽど一人の人物に対して多角的な評価を下そうとしているのかもしれないとも考えるようになった。




◆「韓察日記」について

10.26事件に関する補足と
MBC共和国シリーズ中心の
韓国雑記的ブログ。更新激少。
リンク&アンリンクフリー。
詳細はコチラ



10.26朴正煕大統領射殺事件




◆新着

金桂元元KCIA部長 (06/12)
共和国シリーズOP (10/12)
李厚洛元中央情報部長が死去 (04/11)
「第5共和国」10.26場面の裏話(4) (07/25)
「第5共和国」10.26場面の裏話(3) (06/27)

◆カテゴリー

未選択(0)
朴正煕軍事政権(7)
MBC共和国シリーズ(15)
12.12粛軍クーデター(6)
音楽(2)
その他(0)
このブログについて(0)

◆月別アーカイブ

2011年06月 (1)
2010年10月 (1)
2010年04月 (1)
2009年07月 (1)
2009年06月 (3)

◆ブログ内検索


◆RSS

RSS 0.91
RSS 1.0
RSS 2.0

◆アクセス





◆Powered by

忍者ブログ
[PR]

©HY 2005-2011